最近、歴史関連の調べもので疲れたので、悩む必要のない場所に行って美術品で癒されようと思いました。そこで、損保ジャパン東郷青児美術館の没後50年「モーリス・ド・ヴラマンク展」へ行ってきました。
ちなみに、名前も聞いたことのない画家です。
凄い印象 §
最初の1枚からして、凄い色彩でググッと迫ってきます。これは凄い企画展に来たものだと喜びました。
しかし2枚目ではたと足が止まりました。
工場と農地が描かれていますが、何を言いたいのか分かりません。うーん、としばらく考え込みました。そこで、圧倒的に空に大きな面積を使っていることに気づきました。どうやら、空がキーポイントのようです。空は曇天で中央が明るくなっていて下を照らしています。しかし、工場を照らしているとも農地を照らしているとも言えません。それでも、じっと見ていてやっと気づきました。描かれた面積としてが小さいものの、工場と農地の間にある水面を、曇天の薄い部分が照らしているように見えます。
つまりこの絵の中心的存在は、面積としては比較的小さな水面であり、ムラのある曇天はそれを指し示すために大きく描かれていた、と考えました。
要約すれば主題は水面です。
それが事実か否かは関係なく、個人的に納得したのでよしとして進みました。
すると、更なる衝撃が。
船が浮かんでいる町並み等の絵があるではありませんか。町並みが写り込んだ水面が明らかに主題です。
その後も、数枚に1枚、かならず水面が描かれた絵がありました。
水面が主要な題材の1つでることは間違いないでしょう。
しかし、曇天も繰返し出てきます。
均一ではない曇天を描くことも、やはり主題の1つだったのでしょう。
別の印象でいえば、光と色彩が主題という感じもあります。ムラのある曇天とは、光を意識的に描く題材でもあるのでしょう。
感想 §
変化もあれば刺激もあって、凄く面白かった!
東郷青児美術館は、こういう展示を便利な場所とリーズナブルな入場料でやってくれるからいいな。
もう1つ、こういう展示を見ることは、実は自分のためになることも良く分かりました。最近、あるいはかなり前から、Web等にちょっとした画像やロゴを即席ででっちあげる機会は多いのですが、こういう展示から啓蒙されることは多いと思います。